全く新しいお酒の楽しみ方!!日本初上陸の「気化酒」を体験してみた。

はじめまして。

山梨県の北杜市という町で「Night Market」というバーをやっている、バーテンダー兼WEBライターのTatsuyaです。NONDAさんでお酒にまつわる記事をいろいろと書かせていただくことになりました。これからどうぞよろしくお願い致します。

さて、記念すべき最初の記事でご紹介させて頂くのは「気化酒」です。

「気化酒ってなんじゃい?」という方も多いのではないでしょうか?

実は僕も初体験なんです。台湾の「Nature Gift」という会社が開発した専用の器具「AIRPHOLIC」(エアフォリック)を使って楽しむ「全く新しいお酒の楽しみ方」、それが気化酒です。

台湾ではすでに発売されており、海外ではなかなかの話題になっているそうです。日本での発売に向けてクラウドファウンディングでの出資を募っていたので、お酒に関しての面白いモノ、新しいモノ好きの僕は広告を見かけてすぐに出資をしました。

それが2月頃の話。クラウドファウンディングでは、なんと目標金額の6倍にもなる出資を集めたそうです!新しいモノ好きの方は結構多いようですね。笑

そして本日6月20日、ついに手元に届きました!

気化酒とは何なのか?味わいや酔い方の違いは?などなど、体験レポートと合わせてお伝えさせて頂きたいと思います!

 

 

気化酒とは?

まずは「気化酒」とはなんなのか?についてご紹介させて頂きます。

仕組みは至ってシンプルです。まず専用の耐熱グラスにロウソクを入れて火を付け、その上に専用のガラス製ボールを置き、付属の漏斗を使ってお酒(アルコール度数 35%以上から使用可能)を注ぎます。ロウソクの火によって下から炙られると、熱によりお酒が気化してその成分がガラス製のボール内に閉じ込められます。その気化したアルコール成分をストローで吸って楽しむ、というのが「気化酒」です。

気化したお酒は驚きの口当たりと凝縮された濃厚な風味、そして低カロリー、さらにはアルコールの分解も早いため二日酔いになりにくいと言われているそうです。驚きなのは最後の一口から30分後にはアルコールの測定値は0になり、車の運転も出来るということ!ホンマかいな??

開発元の「Nature Gift」は台湾の会社で、食品化学と栄養科学分野の科学者チームによる科学に裏付けられたサービスを世界に提供する食品工業企業とのことです。

ある日エタノールを使って柑橘類の皮から香気成分を取り出す実験をしていたところ、蒸留器の内側に細かいアルコールのミストが凝集し、強い芳香を放っていたのを発見したそうです。興味本位でその中にストローを入れてみたところ、今までにないお酒の体験をした!というところから開発に至ったそうです。そこから試行錯誤を繰り返して生まれた気化酒専用の器具が、この「AIRPHOLIC」(エアフォリック)。

AIRPHOLICのセット。綺麗でしっかりとした箱の中に気化酒専用のガラス製ボール、ガラス製のロウソク台、ステンレス製の漏斗とストロー、そしてストロー用のクリーニングブラシがセットになっています。

ちなみにロウソクは別売りで、今回は近所のホームセンターで購入したティーライトキャンドルを使用。ネットでも簡単に手に入ります。

実際に体験してみた。

前置きはこれくらいにして、ここからは実際に試してみた体験レポートをお伝えしていきます。

今回試してみたのは、「ウィスキー」「ブランデー」「ジン」「ウォッカ」「ラム」「テキーラ」の蒸留酒の基本となる6種類。説明によるとウィスキー、ブランデー、ジン、、ウォッカ、テキーラ、アブサンが特におすすめとのこと。ラムは入っていないようですが、とりあえず体験しておこうかと思います。まずはウィスキーから。

ウィスキー

今回使ったウィスキーは「ザ・グレンリベット12年」。シングルモルトのスコッチウィスキーです。「すべてのシングルモルトの父」とも言われる偉大なウィスキーはフルーティーで飲みやすく、個人的にはリンゴのような香りが特徴的だと思います。これが気化酒になるとどうなるのか。。変化が楽しみです。

 

まずはロウソクを専用台に入れ、火をつけてから専用台の上にガラスボールを置き、漏斗を使って酒を注ぎます。

ガラスボールはコロコロと転がり安定しないので、先に酒を注いでしまうと火をつけるときにボールを置く場所がなくてアタフタしそう。先に火をつけてから酒を注ぐのがおすすめです。

 

 

酒を注いだら約40秒待ちます。だんだんとガラスボールの内側に細かい水滴がついてきました。いい香りも漂ってきています。

 

そして吸います

最初の加減がわからずに一気に吸い込むと、アルコールの刺激が喉にきて咳き込んでしまいました。強い酒を一気に喉に流し込んだ時のようなアルコールの刺激が喉の奥に広がります。

ですが、液体がその後に食道を焼くように降りていくのに対し、気化酒は喉の奥でその刺激が消えていきます。喉の奥に刺激が来たあたりでゆっくりと息を吐き出すと、芳醇な香りが口内と鼻腔の奥にブワーーーっと広がります。

改めて優しくゆっくりと吸うと、芳醇でフルーティー、グレンリベットの特徴でもあるリンゴのような香りがより豊かに感じられます。そこにバターのようなオイリーなふくよかさが加わって、甘いアップルパイのように変化しました。

時間をおいて少しクラクラするような酩酊感を感じましたが、具合が悪くなるような感じではなくフワフワと心地よく感じます。

ここで気化する前のウィスキーをそのまま飲んでみました。アルコールの刺激を舌にピリピリと感じます。これは気化酒にはない感覚です。風味も気化酒の方がより強く感じることができました。

うん、コレ楽しくて美味い!!!

ブランデー

続いてブランデーを。使ったのは「カミュ VSOP」、当店ではカクテルのベースなどに使う比較的安価なブランデーです。

気化中から濃厚なブランデーの香りが漂ってきます。これは美味しそう!!

早速味わってみると、とても濃厚な香りが口と鼻に広がっていきます。カカオのようなビターで甘い香り、そして少し青っぽいブドウの風味が非常に心地良く感じます!その後、かすかに残るアルコールの刺激を気持ちよく感じることができます。

気化した成分はサウナに入ったときのような重さを感じる気体とでも言いましょうか。。完全な気体ではなく少し水分を含んでいるように感じます。まろやかな口当たりで気体なのに飲みごたえがある感覚、この新感覚が意外とクセになります!

ブランデーは華やかでフルーティー。女性にもおすすめできそうな高貴な味わいでした。

 

ジン

個人的に楽しみなのがジン。様々な植物で香りつけされたジンが、気化することによりどのように変化するのかが楽しみです。使用したのは「モンキー47」。47種類の植物を使って香りつけされる、華やかで複雑な風味が特徴のドイツのジンです。

気化した「モンキー47」は非常に華やかで、今までで一番の存在感!まさしくこのジンの風味をギュッと凝縮したような味わいです。

最初の口当たりに甘さを強く感じ、吸い込む気化酒はまったりとした濃厚な舌触りです。気体なのにしっかりとその存在感が口の中に残ります。こんなにも美味しい気体は味わったことがありません。笑

爽やかで華やか、しっかりとした存在感はまるで水タバコのようです。そして鼻に抜けていく感覚が今まで味わったことのない新感覚!

お酒のテイスティングをする時、口に含んだ後に鼻から息を吐くことでその香りや風味を強く味わう事ができる「鼻抜け」というのがありますが、あれをもっと強力にした感じとでも言いましょうか。。美味しくてついつい吸いすぎてしまいましたが、風味はなくなりません。これは相当長い時間楽しめそうです。

ここまでに試した気化酒すべてに当てはまるのですが、最初のイメージではもっと強烈なモノを想像していました。気化したアルコールがもっと直接的に感じられ、刺激が強いモノをイメージしていましたがそんなことはありません。最初こそ強く吸い込みすぎて咳き込んでしまいましたが、全体的に非常に繊細で優しく、心地よい味わいです。

酔い方もまろやかで気持ちよく酔えます。たしかに酔った感覚はありますが、フワフワと心地よく、酔いすぎるというようなことはないように感じます。

ウォッカ

続いてはウォッカです。説明によるとウォッカの変化が一番面白そうでした。「無味無臭のお酒が全く違った鋭い味わいに変化し、魅力的なパンの甘い味わいを持つ」とのこと。美味しそうです。せっかくなので少しいいウォッカをチョイスしました。

使用したのは「フェア キヌアウォッカ」。フェアトレードで取引された原料をもとに優れた蒸留酒を生み出すフランスの「フェア」が作った、スーパーフード「キヌア」を原料にしたウォッカです。普通に飲んでもしっかりとした甘さとまろやかな口当たりが特徴の美味しいウォッカですが、これがどう変化するのか。。

 

確かに甘く華やかな口当たりで、舌触りは先ほどのジンよりもまろやか。アルコールの刺激という意味では今までで1番強いかな?ピュアなアルコールの刺激と風味を感じますが、嫌な感じが全くしません

そして今までで1番液体との違いを感じます。全体の風味にブーストがかかった感じです。無味無臭と言われるウォッカなので、確かに今までに比べると味わいとしては弱い気もしますが、丁寧に作られたシンプルな酒というのがはっきりと解ります。気化酒にウォッカを用いる場合は、それなりに良いものを選んだ方がいいのではないでしょうか?シンプルゆえにその香味がはっきりとわかりそうです。

ちなみに今までで1番の好みがこのウォッカでした。

 

ラム

そしてラムです。選んだのは「ロンサカパ センテナリオ23」。グアテマラ産の、甘さが効いた美味しいラムです。

説明のおすすめにはラム酒が入っていませんでしたが、どうなのでしょうか??早速試してみます。

注ぐときからすでに香り高い銘酒です。気化酒にするとどうなるのか、期待が高まります。

口に含むと思っていたよりもドライな味わい。ロンサカパと言えば甘さがしっかりと乗ったイメージのラムですが、飲んだ時よりもドライなイメージです。ドライフルーツやバナナのような南国系フルーツや、カラメルに浸したスポンジケーキのような風味が口に広がります。が、コレは個人的には飲んだ方が好みです。おすすめに入ってないのもなんとなくわかる気がします。

が、これはこの銘柄だからなのかもしれません。ラム好きの僕としては、違うラムも改めて試してみたいところ。

ですが、通常であればあまり甘さを感じないウォッカは甘さを感じ、甘いラムは比較的ドライな風味へと変化する。このまったく予想が付かない変化が非常に面白いです。これも楽しみ方のひとつではないでしょうか

酔いは変わらずちょうどよく、心地いい感じです。

テキーラ

最後はテキーラです。選んだのは「エレンシア・デ・プラタ アネホ」。まろやかで飲みやすいテキーラです。テキーラ特有のアガベの香りがどう変化するのでしょうか??

気化したテキーラは、テキーラ特有の刺激が少なく非常にまろやか!使用したテキーラ自体がまろやかなモノではありますが、それがよりまろやかに変化しました!甘さを感じる木の香りは熟成の樽によるものでしょう。鼻に抜けていくときにアガベの香ばしい香りが強く広がります。さらにメープルシロップのような、濃厚で甘い香りが鼻腔に広がっていきます。普段テキーラはクセが強くて飲めないという方でも、気化酒であれば大丈夫なのではないでしょうか。それくらいにまろやかで優しく変化しました。

 

体験してみて

約1時間半をかけて6種類のお酒を試してみましたが、どれも予想がつかない初めての体験だったので非常に楽しい経験となりました!

どう変化していくかは、同じウィスキーでも銘柄によって全く異なるのではないかと思います。普段から飲みつけている銘柄がどのように変化していくのかという予想がつかない楽しみもありますし、普段はあまり好んで飲まないお酒が気化すると口に合う、というようなこともありそうです。

新しいお酒の楽しみ方として、かなり広がりが期待できそうな体験でした。

肝心の酔い方ですが、1時間半で蒸留酒を6杯というのはなかなかの酒量ではないかと思います。ですが気化酒ではアルコールの心地よい刺激はあるものの、酔っぱらいすぎるということはなさそうです。心地よい刺激や感覚はありますが、気持ち悪くなるようなことはありませんでした。頭がクラクラするような感覚はありましたが、頭が痛くなるようなことはなく、翌日も二日酔いになることはありませんでした

「最後に口をつけてから30分後にはアルコール測定値が0になる」という話ですが、確かに30分後くらいには綺麗さっぱりというわけではありませんが、酔いの感覚はほとんど薄れていました。車の運転も出来そうな気がしますが、僕は心配なので辞めておきます。おすすめもしません。ですが、確かに酔いの感覚は抜けます。これに関しては個人差もあるような気がします。

くれぐれも気を付けて下さい。

まとめ

いかがでしたか?最近話題の「気化酒」をご紹介致しました。

気化酒は確かに面白い体験ができます。二日酔いの心配もなさそうだし、酒の抜けも早い。酒好きの僕としては、それはそれで寂しい気もしますが。笑

ですが、ひとつのお酒の楽しみ方としては非常に面白いです。味わったことのない新感覚はお酒好きならば1度は体験することをおすすめします。お酒の席でのネタにもなりますし、バーで飲む時なんかに1~2杯気化酒を挟んでもいいかもしれません。もちろん最初から最後まで気化酒というのもアリでしょう。

お酒の楽しみ方は色々あっていいモノですし、この気化酒によって普段蒸留酒を飲まないという方にも蒸留酒が広まるきっかけになるのであれば面白いですね。

とにかく体験したことのない未知の感覚でした。気化酒のための専用アイテム「エアフォリック」を見かけた際には是非お試しを!!

ちなみに僕の店に来ていただければ、いつでも楽しんで頂けます。笑